リックの店


1997.9.18(thu)-9.21(sun)  新宿スペース107


      CAST

杉本 ミツオ・・・・・・前田真ノ輔
杉本 文三・・・・・・・山内啓太郎
杉本 富子・・・・・・・・山口千晴

田 のりお・・・・・・・・石倉良信
     (ACファクトリー)
小松原 守・・・・・・・鈴木淳一郎
白井 南海・・・・・・・・大西智子
玉利 玉男・・・・・・・・岡本徳彦

モリドン・・・・・・・・・武藤靖将
隣の青木・・・・・・・・国保ひろ子
OL・・・・・・・・・・・宮本照美
客・・・・・・・・・・・・小林達也

    STAFF

作・演出・・・・・・前田真ノ輔
音響・・・・・・・・サウンドキャラウェイ
照明・・・・・・・・福田恒子
舞台監督・・・・・・P−KEKA
スライド・・・・・・坂本陽子
いらすと・・・・・・切通政美
宣伝美術・・・・・・大須賀あつし
          山口千晴
演出助手・・・・・・大須賀あつし
舞台美術・・・・・・ATSUMI
制作・・・・・・・・プチケカ                                   
  協力
TVガイド・ACファクトリー
GAP・TORAYA・田山雅邦
CHOP(大久保さん・岡さん)
下村亜紀子・藤原純子・恩田亮一
土井渉・大久保恵子・杉山美由紀
斉藤まえ子・増田さん・辻川幸代
河合幸里

 


 

 

ごあいさつ

 


 私は、遅筆である。

遅筆と言うより「台本が遅いんじゃ、ボケ!」である。

それが故に、スタッフ、役者には毎回苦労をさせる。スタッフ、役者が苦労す

るということは、演出家も苦労するということである。

演出家は私である。結局、自分のところにつけがまわってくる。世の中うまく

なっている。

「台本できてないんで、今日の稽古休みます。」

このセリフを私は何度いってきたことだろう。

人間は学習する動物である。

いつまでもこんなことじゃいけない。ようし私もひと皮むけるぞ。

そういやどこかの劇作家が言ってたっけ。

「劇団をやろうと思ったら常に2本の作品の構想を持っていないと、とてもじゃ

ないが間に合わない」確かにそうだ。その通りだ。

というわけで、この場を借りて次回公演の構想をねる。

・・・・・・あっこんなのはどうだろう。
 

ある日ボクは、1人でファミリーレストランに入る。

ドア付近で見知らぬ若いカップルといっしょになり、そのまま店内へ。

待ち受けていた店員が「いらっしゃいませ。ようこそデニーズへ。お客さまは何

名様ですか?」とカップルの男にたずねる。

すると男は「3人です」と答える。

ボクは後ろを振り返る。しかし誰もいない。

きっと後から連れが来るのだろう。ボクはカップルから少し離れる。

すると、カップルの女が振り返り、僕に言う。「禁煙席でいい?」

「え?・・・え?」と困惑する僕。

すると背後から聞き覚えの無い男の声が聞こえてくる。

「ええ?俺タバコ吸いたいなあ。」

「何いってんの。もうやめたっていったじゃない」

3人はワイワイ言いながら、案内されたテーブルにつく。取り残されたボクは

何となくブルーな気分になる。戻ってきた店員にボクはカウンター席に案内さ

れる。そして、ボクはアイスコーヒーを注文する。・・・・

・・・・あっ おわっちゃった・・・。1時間半どころか5分もない。

しかも全然おもしろくない。そうだ。最後に出てくる男を6才児という設定に

しよう。「ええ?僕ちゃんタバコちゅいたい」「なにいってんの?もうやめた

っていってたじゃない。」うん、これで2、3人の笑いは取れる。

・・・・ていうか、どっちにしても5分なんだよ。

あ〜次回もまた私はあのセリフをはくことになるのだろう。

「台本できてないんで、今日のケイコ休みます」

私はこの場をかりて腹をくくる。

 

前田 真ノ輔

               

 

 

            ごあいさつ(公演パンフ)

演出家が主役をやる。

更に作家も兼任している。あまりその類いのお芝居は観たことがない。野球でいえば、監督が四番でピッチャーなのだ。個人的にそうい

う人は苦手である。ジャイアンみたいでイヤである。「なんで前田さんはあんまり出ないんですか?」とたまにきかれる。「うーん…」と

答えにつまったりする。どうしてだろうと考える。「あんまり目立つの好きじゃないから」それが一番素直な答えである。

私は役者を志してこの世界に飛び込んだのだが、そのくせ必要以上に目立つことを極端に恐れる所がある。普段の生活の中でも、5人以

上の人間に一斉に注目されると完全に舞いあがり、アップアップしてしまう。

だから結婚式のスピーチが私にはできない。

しらふで歌が歌えない。

ボーリングの玉を投げに行くのも恥ずかしい。

作・演出をやってる時点で、すでに自分の下半身をあらわにしてるようなものなのに、主演までやるなんてことになったら、それはもう

素っ裸でボーリングの玉を投げに行くようなものである。「目立つにも程度があるだろう、コノヤロー」である。

というわけで、今回私が主役をやります。

私のすべてをお見せします。

プチケカが遂に勝負に出ます。

 

前田 真之輔

 




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