ソーダポップの悪口


1996.11.7(thu)-11.10(sun)  新宿スペース107



       CAST                   STAFF




ガードマン      岡本 徳彦        作・演出     前田 真ノ輔                            
    
ミツコ        大西 智子        舞台監督     河合 幸里 
                         
沢 子        山口 千晴        音響       サウンドキャラウェイ                         


ドテ         武藤 靖将        照明       福田 恒子 


おっさん       山内 啓太郎       スライド     坂本 陽子
                        
                        宣伝美術     切通と前田
番頭         前田 真ノ輔       
                        美術       ATSUMI
監督         鈴木 淳一郎              
                        演出助手     大須賀 あつし
男子大学生      福島 龍治                 
                        制作       プチケカ   
女子大生       国保 裕子                      
                        
土工         小林 達也        協力
                         今野 純・飯野 ひろみ・田山 雅邦
                         浜中 亨・脇谷 一実・加藤 龍星
                         土井 渉・松浦 幸子

 


 

               ごあいさつ

 

 その日、私は駅前の喫茶店『シャノアール』でいつものようにスポーツ新聞をひろげ、

アメリカンコーヒーをすすっていた。ちょうどスポーツ紙も読み終え、ボーッと窓の外を

眺めていた時の事である。突然背後から『前田さん』という言葉が耳に飛び込んできた。

「前田さんてさァ、基本的にいい加減じゃん。」

「そうそう時間とかルーズだしね。そのくせ、人が遅刻するとやたらイカってんだよな。

 もう、チョーむかつくよ。」

「色白だしな。」

「ていうか・・・・・・前田さん、殺さない?」

若い男女四、五人ほどのグループであろうか。私は背を向けているので彼らの顔は見えな

いし、彼らもまた同じである。しかし、渦中の『前田さん』とは私のことではない。

聞き覚えのない連中の声だし、だいいち私は色白ではない。

それにしても、彼らの言葉の端々には、かなりの憎しみが込められている。

相当嫌われ者の『前田さん』である。

同じ前田として少し心苦しかったりする。しっかりしてくれよと思ったりする。

そんな頃である。今回のタイトルを思いついたのは。

タイトル。

そもそも芝居を一本打つにあたって、タイトルと言うのはかなり早い段階で決めなくては

ならない。それは、チラシ製作や雑誌媒体掲載等の諸事情があるからだ。

うちのようなちっぽけな劇団でも、本番三ケ月前には決めてなければいけない。

当然のごとく、そんな早い段階に脚本が仕上がっている訳もなく、 仕上げる気などもある

訳なく、 従って私は、いつもその時のフィーリングで『何となくいいかなァ』と思って、

つけてしまう。

しかしこのやり方は非常に危険で、一歩間違えると、タイトルとはまったく関係のない話

になってしまったりする。

例えば、『トリ肌刑事』というタイトルなのに、刑事の『ケ』の字も出てこない物語になっ

たりする訳である。

 そして今回、うちの芝居は『トリ肌刑事』と化した。

『ソーダポップの悪口』なのにソーダポップ(ソーダ水)も出てこなければ、悪口さえも

出てきやしない。それはもう見事なまでに出てきません。

この場を借りて、ひらに謝りたいと思います。

そして改めて、今回のタイトルを発表させていただきます。

『その愛、いずこへ』

どうぞ最後までごゆっくり御観劇ください。

 

前田 真ノ輔 

 




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